Classic Bicycle Parts Study

自転車の規格はいろいろあってわかりにくいですよね。
代表的なものにはBSC(British/ISO), French, Italianの3種類がありますが、その他にSwiss, Spanishというのも存在するそうです。
折角パーツを買ったのに規格が違っていて「付かない」、または「パッキン！と壊れてしまう」という経験をされた方も多いのではないでしょうか？。
そのようなことがないように、ちょっとだけ規格のお勉強をしましょう。

BSC(British/ISO)
自転車が各国で工業生産されるようになった頃、それぞれの国で自転車や自転車部品に関する独自のネジサイズ・標準寸法を持っていました。
しかし、その中でも英国の規格(British)が最も広く採用されていたようです。
それは自転車の歴史から考えても当然のことといえるでしょう。
そしてISO制定時、Britishの大部分が世界標準として採用されるに至りました。
例えば・・・

・ヘッド小物ネジ(1" x 24 tpi)
・ステムのクランプ径(1"=25.4 mm)
・BBネジ( 1.375" x 24 tpi)
・フリーホイールネジ(1.370" x 24 tpi)

French
次は愛するフレンチです。
古いフランスの自転車は標準とは異なる規格で作られていました。
昔のフランスでは「対岸の英国とは絶対同じにしない」という気持ちが強かったのでしょうか。
主だった相違点は以下のとおりです。

・ヘッド小物ネジ(25×1.0mm)
・ステムのクランプ径(25mm)
・ステム径(22mm)
・BBネジ( 35×1mm)両側とも右ネジ
・フリーホイールネジ(34.7×1mm)
・ペダルネジ(14×1.25mm)
・フレームの各チューブ径

最近では、さすがのフランス車もItalianかISOで作られているようです。
ところで、フランスネジのクランクはBSCのタップで切り直せばBSCとして使えます。これはBSCとFrenchのネジピッチはほぼ同じで、ネジ山の高さ(角度）がBSCの方が高いからです。
反対にBSCクランクにFrenchのペダルは入ってしまいますが、クランクのネジがバカになるので気をつけましょう。

Italian
イタリアの自転車は古いフランス車と比べるとISOと互換を持つパーツが多いようです。
最も大きな例外としてはBBがあげられるでしょう。
ItalianのBBの幅はBSCやFrenchの68mmより広く70mmになるうえ、カップの直径も大きくなります。
また、ヘッド小物は数字上同じ規格に見えますが、ネジ山の角度が異なるため互換性がありません。(BSC:60°, Italian:55°)
古い時代にはItalian規格のフリーホイールがあったようですが、今は途絶えてしまっているようです。

項目	BSC(British/ISO)	JIS	French	Italian
ネジの角度	60°	←		55°
FDバンド径	28.6mm	←	28.0mm	28.6mm
ステム径	22.2mm	←	22.0mm	22.2mm
ステムクランプ径	25.4mm	←	25.0mm	26.0mm
ヘッド小物ネジ	1"×24 tpi	←	25×1.0mm	1"×24 tpi
クラウンレース内径	26.4mm	27mm	26.5mm, 27mm	26.5mm, 27mm
BBネジ	1.370"/1.375"×24 tpi 固定カップ左ネジ	←	35×1.0mm 両サイド右ネジ	36×24 tpi 固定カップ右ネジ
BB幅	68.0mm	←	68.0mm	70.0mm
ペダルネジ	9/16×20tpi	←	14×1.25mm	9/16×20tpi
フリホイールネジ	1.370"/1.375"×24 tpi	←	34.7×1.0mm	1.370"/1.375"×24 tpi
スポークネジ	56tpi	←	2×0.4mm
トップチューブ径	25.4mm	←	26.0mm	25.4mm
ダウンチューブ径	28.6mm	←	28.0mm	28.6mm
シートチューブ径	28.6mm	←	28.0mm	28.6mm
ヘッドチューブ径	31.7mm	←	32.0mm	31.7mm
コッターピン径	9.5mm	←	9.0mm
左右の表示	右:R（Right) 左:L(Left)	←	右:D（Droite) 左:G(Gauche)

Help! 誤りや追加することがあれば、Mailをお願いします。
SatoruMas@aol.com　1999.7.17

訂正履歴

2002.6.29
ItalianのBBネジで「固定カップ左ネジ」となっていましたが、これは誤りで「固定カップ右ネジ」に訂正しました。
固定カップが左ネジなのはBSCとSWISSで、ItalianとFrenchが右ネジになります。
またSWISSのBBネジピッチはFrenchと同じになります。
フランス車でもたまにSWISSのBBが付いていることがあるようなので、注意が必要です。

2004.5.1
クラウンレース内径とJIS規格を追加。JISとBSC（ISO）のヘッドセットはネジは同じですが、クラウンレース内径が異なります。

2012.4.17
FRENCHのスポークネジについてアドバイスいただきましたので、追記しました。