コンクール・デュラルミンの写真に出てくるグリグリ穴を開けられ軽量化されたサドルは、このNo.57 "RECORD"ではないかと思います。
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スタンプは"TB"ではなく"FT"! |
鋲には"IDEALE"の刻印が入っています。 お馴染み"CROUPON GARANTI"の小スタンプ。 |
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| レールの刻印はPROFESSIONNELとは異なり、枠のない3段の刻印となっています。 上段="METAL LEGER"、中段="HAUTE RESISTANCE"、下段="A" バッジの"IDEALE"は印刷ではなく、エンボス加工の古いものです。 |
1枚皮革です。 ギャランティカードが一緒に写っていますが、正しい組み合わせではありません。 |
"TB"と"FT"
IDEALEのサイドのスタンプに必ず入っている"T"と"B"の文字。いったいこれはなんでしょう?
元々"IDEALE"というのは会社名ではなくブランド名になります。会社名は"Tron et Berthet"、トロンとバーゼットというところでしょうか（発音はわかりませんが）。その頭文字を取って"TB"となっています。
それでは古い"IDEALE"にスタンプされている"FT"は?
ここからは推測になりますが、"Tron et Berthet"になる前は"F??? et Tron"であったのではないかと思います。
次に浮かぶ疑問は、「いつ"FT"から"TB"に変わったか」ということ。
当初1940年代の後半かと思いましたが、いろいろな資料を見てみると、1950年にNo.52が発表されており、そこには"FT"のスタンプが付いていました。
しかし1950年製作と言われているRene Herseの第1期カタログのイラストを見ると、"TB"のマークを見つけることができます。
これを勘案すると1950年に"FT"から"TB"に変わったと思われます。
どなたか、この辺りを知っている方がおりましたら、是非教えてください。
恐ろしく丁寧な仕上げ(Nov. 16. 2002)
No.57は1950年代のIDEALE の製品では、トップラインに位置付けられており、その品質もその後の製品と比較にならないほど最高品質のものでした。
・分厚い一枚皮革（No.60 PROFESSIONNELはNo.90の1.5倍の厚さで、No.57はそのNo.60 Proのさらに1.3倍!!）
・鮮明なスタンプ
・磨き上げられたレールとやぐら小物
・厚く手の込んだバッジ
・そして鋲の刻印も最近のあっさりした「IDEALE」ではなく、バッジと同じ書体！！
この鋲に疑問が一つ。近年のIDEALEでは、
・全て鉄鋲（中級以下のグレードに多い）
・ノーズのサイド部分に鉄鋲を使い、その他は銅鋲（No.90など）
・ノーズのサイド部分とバッジ近辺に鉄鋲を使い、その他は銅鋲（No.60 PROFESSIONNELなど）
・全て銅鋲（大銅鋲モデルなど）
などのパターンがあります。
このNo.57もノーズに3つ、後ろに6個の鋲が打たれていますが、ノーズのサイドの2つとバッジの鋲の外側の2つの鋲は鉄のようです。
しかし、その他の鋲は間違いなく銅ではなく、磁石にも付きません。しかもステンレスのような輝きを放っている・・・
いったい何の合金なのでしょう。
いずれにしてもNo.57は、品質、風格、希少性のどれを見ても「King of IDEALE」と言えるのではないかと思います。
FT 57 RECORDの他のサンプル(Mar. 5. 2011)
ヤフオクでFT No.57 RECORDのトップを購入しました。しげしげと眺めていると・・・
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小さな小判スタンプが"CROUPON GARANTI"ではなく"TYPE RECORD |
お尻の部分には溝が彫られています。 と、よく見ると少し小ぶりだぞ。 |
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| 比較すると、やっぱり短い。 | レールを合わせてみると、全然入りません。 |
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| 皮の厚みも大分違うようです。 |
結論：FT No.57 RECORDと言っても、いろいろあるようです。やっぱりIDEALEは奥が深い。
